花粉症(アレルギー性鼻炎)について

2012年02月14日

花粉症は、花粉が原因のアレルギー疾患です。
人間の体には、免疫という、細菌やウイルスを撃退する機能が備わっています。アレルギーとは、免疫反応が人間の体にとってマイナスとなり、つらい症状を引き起こしてしまう事をいいます。花粉症では、花粉を異物として認識して追い出そうとする免疫反応がくしゃみ、鼻水、目のかゆみといった症状となり現れます。
最近、花粉症の人が増えています。スギの植林などによる花粉飛散量の増加に加え、環境汚染やストレスが多い事もその原因と考えられています。花粉症は、毎年大量の花粉にさらされているうちに花粉に対する感受性が高まって、突然発症することがあります。去年まで花粉症にかかっていなかったからといって油断は出来ません。

 

Ⅰ. 花粉症の症状

発作性のくしゃみ、水様性鼻水、鼻閉の3つが挙げられます。それ以外にも目のかゆみ、涙目、結膜の充血といった眼症状(アレルギー性結膜炎)もみられます。

 

Ⅱ. 全国の平均的花粉飛散時期

2-4月:スギ 4-5月:ヒノキ 5-6月:イネ科(カモガヤ) 8-10月:ブタクサ

 

Ⅲ. 花粉症の検査

原因花粉(アレルゲンといいます)は3ml程度の採血による血液検査で分かります。花粉症の患者さんの血清中にはスギに対する抗体(IgE抗体)やヒノキに対する抗体があり、それを簡単にチェック出来ます(RAST試験といいます)。
原因花粉を決定し、それから避ける事が治療につながります。検査は3割負担の保険の場合、約5,000円かかります(検査抗原の数が多いので、この位になります)。スギ花粉のみなら、1,000円位で分かります。

 

Ⅳ. 花粉症の治療

①アレルゲンの除去と回避
アレルゲンが鼻粘膜に入ってこなければいいので、マスクやメガネを着用する事でアレルゲンを回避出来ます。家に帰宅した際、衣類のほこりを落とす事(アレルゲンの除去)も大事です。洗濯物や布団は外に干さない事、花粉の飛散量が多い日は窓を閉める事も症状を軽くします。

②減感作療法
治癒に至る治療ですが、治療に時間がかかり、何回か来院される必要があり、当院では行なっていません。
アレルゲンを低濃度から始めて、徐々に高濃度にしながら注射していく治療法です。この処置により、花粉に対する過敏性を減弱させるのが目的です。

③薬物療法
抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、局所ステロイド、抗コリン薬が用いられます。
一般に第一世代の抗ヒスタミン剤は眠くなりやすい事から用いられません。第二世代の抗ヒスタミン薬は安全に使いやすいといわれています。
他に、抗ロイコトリエン薬、Th2サイトカイン阻害薬が用いられます。

 

Ⅴ. 初期治療の重要性

花粉飛散開始予想1週間前もしくは花粉飛散開始時期から、症状が無くても第二世代抗ヒスタミン剤を内服する事が重要です。早くからの内服は、花粉症の症状を軽くします。

 

Ⅵ. 症状発現後の治療

軽症、中等度(くしゃみ、鼻漏型)、重症(くしゃみ、鼻漏型)では、第二世代抗ヒスタミン剤と鼻噴霧用ステロイドで治療します。
中等度、重症の鼻閉を示す花粉症に対しては、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド、第2世代抗ヒスタミン剤を用います。
アレルギー性結膜炎に対しては、抗ヒスタミン系成分の点眼薬が安全に用いられています。
最重症の花粉症に対しては、ステロイド剤や、ステロイドと抗ヒスタミン剤の合剤の内服などが用いられています。